
ZAF 2022年8月31日
<本日のテーマ>
もうすぐ技術書典13最終企画会議!
と
と
Stable Diffusion 革命
目次
YouTube のアーカイブ・ビデオはこちら
(
https://youtube.com/live/Ymql3MZGkLE)

(前座)
最近2ヶ月、仕事が忙しかったワケ
最近2ヶ月、仕事が忙しかったワケ
- 穏やかな日常を志向していた日々から、少しばかり遠ざかっていた...
この2ヶ月、何をやっていたのか?
GTK
- 若い人は知らないと思いますが、 GTK ってのは native で GUI アプリを書く時に使うライブラリ (GUI Toolkit) の1つ
- 当初 GIMP というオープンソース版 Photoshop クローンのために
開発され始めた(元の名前は GIMP Toolkit)
- C で書かれている(ので、世間的には好き嫌いがあった)
- ... C++ 好きな人は Qt とか
- 浦島太郎ネタ:
昔は「GTK+」が正式な名前だったけど、
今は「GTK」になったらしい
- 「+」ついてると、どうしても C++ 実装かと思ってしまうよね
- 最新は major version が4らしいが、
今回ぼくが挑戦したのは3- 最後に触ったのは、たしか version 2 のころだった
(http://kichiki.github.io/waon/gwaon.html)
- 最後に触ったのは、たしか version 2 のころだった
- やりたかったこと
- 画像ファイルを開いて
- 拡大縮小をスムーズにキビキビやって
- 画像上の点を記録していく
- それまで、やってたこと
- これ、1つ作るのに、100%集中して半日とか掛ってた…
- 筋のいいエンジニア - つまり怠惰なエンジニア - なら、 とっくの昔に何かツールをささっと書いてたでしょう
- (ぼくは、これを20枚近く、手でやってた)
- で、そんなツール、できた
- 結構、感動した
- ズームイン、ズームアウトに際して
スクロールバーとか付けるの面倒だな、とか思ってたけど、
そんなの一切なしで、しかもサクサク動くものが、簡単に書けた - cairo という描画エンジンが GTK3 で標準になったそうで
それ使ったら、プログラム的にはほとんど何も書かなくても、目的のことができた - あと、画像の上にいろいろ情報を描画するのも、簡単だった
(cairo って、そもそもがそういう描画ライブラリだから) - 世の中、きちんと進化しているな、と感動した
Blender
- オープンソースの 3D モデリングツール
- 最近 ZAF2205 で紹介した「リアルアバター」制作で使った
(使い始めた)
- 今回は、きちんと 3D モデル作成の文脈で、改めて勉強
- 感動したけど、 Blender の Python API って、最強だね
Blender の操作は基本すべて、 python script で書ける! - GUI ツールの何が嫌いって、
- 再現性が担保されない
- (同じことだけど)ルーチン化できない
- 感動したけど、 Blender の Python API って、最強だね
ZENKEI 3D
- 何のためにやってたのか?
ZENKEI 3D
パノラマの次の
新しい映像技術 - この技術は
パノラマ360度(2D)画像から
フォトリアルな3D空間が
構築できる!
ZENKEI AI FORUM 視聴のみなさまに
その触りをお見せしましょう!
その触りをお見せしましょう!
- このサービス、
今年の年末にベータ版のリリース
来年の前半に正式版のリリース
お楽しみに!
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パート1
AI 小説と AI 挿絵の進捗
〜
もしかして時代が変わった?
AI 小説の進捗
- いろいろと仕事が落ち着いたのが8月下旬
- 技術書典も迫ってきてるので、 AI 小説の執筆を急がねば、とプレッシャー
- 文書生成については、やっぱり GPT-3 かな、と思って久しぶりに行ってみる
- しかし、そうだな、 free credits とかもうとうの昔に無くなってたんだった
- (なんか「値下げ!」とか出てるね)
- free で使える language models など、調べてみる
- HuggingFace が、そのものズバリ
「Write With Transformer」
というページを作っていた
- よーしってことで、書き始めてみる
- 書き出しは、
I’m sitting in a thing like chair but a bit cold and thinking about the world
- この続きを AI にサジェストしてもらいながら書いたのが上のスクショ
I am sitting in a thing like chair but a bit cold and thinking about the world around me 🤗
This is the place where you can share a blog and see the way it’s been doing. The world is full of interesting and important people like you. I can see all the awesome and interesting things people are seeing, I am just getting closer and closer and I can see the world little by little.
Now, in front of me, there is a strange thing I’ve never seen before. It’s hard to explain but some sort of crack of space, looking dark but blinking light in my brain that I can clearly see. I have no idea what this is or what it is. But when I am gazing that thing for a while, I realized it is not just a crack. I can sense some movements behind that. I can hear some noise, or a voice maybe. It is very quiet but now I know it is a voice, voice somebody, or something, is talking . Now, the other weird thing happened! At that time , a man from outer galaxy said:
" There was a small space ship. She is from Andromeda with Andromeda at some point before."
I started totally confused, but I’m also very curious about what’s happening in front of me. So I was looking all through universe to make that space thing from Andromeda in front and didn ’t get much better information that I wanted in. I tried to respond her voice.
" Hello. It’s my first conversation with you. Are you really there? Are you talking to me?"
For a while, it’s just a silence, but then, the voice I believe it’s women respond my question:
"Yes . I am here and talking but not you. Just talking to myself. Where are you? Since when are you there?"
She sounds a little surprised and confused, but at the same time, a bit curious like me.
- 書き出しは、
- これを、今度はグーグル翻訳に入れて日本語にしてみた
- この日本語を、ぼくが自分で手を入れたものが、以下:
わたしは少し冷たくて硬い椅子のようなものに座っていた。そしてそのとき自分の周りの世界について考えていた。
どれだけ考えていたのか分からないが、ふと目の前に、今まで見たことのない奇妙なものがあることに気づいた。説明するのは難しいのだが、空間の亀裂みたいな何か、それは暗くて見えにくいが、わずかに、不規則に明滅していることが、それに気づいた今ははっきりと見える。
これは何なのだろう?こんなもの、今まで見たことがない。でも、しばらく眺めていると、ただの割れ目ではないことに気づいた。その向こう側に何かの存在を感じた。何かが動いている気配。耳をすますと微かなノイズが聞こえてくる気がした。集中していると、誰かが喋っている声みたいだ。とても小さいが、気づいた今はそれが声であることは明らかだっだ。しかし「それ」がしゃべっている内容は聞き取れない。
数分それに聞き入っていたとき、もう一つ奇妙なことが起こった。急に声が明瞭になり、その時「…銀河系の外から来たのが…」と言った。少なくともそう聞こえた。私は完全に混乱した。一人で座っているその場所に、突然、人が喋りかけてきたのだ。しかし同時に今目の前で何が起こっているこの出来事に興味が沸いてもいた。
その声が、今は明瞭に聞こえる声でしゃべっていた。
「小さな宇宙船があったの。彼女はかつてアンドロメダからそれでやってきたの。」
今やわたしは完全に混乱した。そうしたときの常で、わたしは状況をより詳しく見ることに集中した。目の前の不規則に光る割れ目、そこから聞こえる声。今やその声の主は女性であると確信した。 良い考えかどうか分からなかったが、わたしはその声に答えてみた。
「こんにちは。これは多分最初の会話だと思うけど。あなたは本当にそこにいますか?ぼくに話しかけてますか?」
声は止まり、しばらくの間沈黙が続いた。1分は過ぎたあと、その女性だと思われる声がわたしの問いかけに答えた。
「ええ。わたしはここにいて、しゃべってました。でも、あなたにじゃなく、自分にしゃべってた。あなたはどこにいるの?いつからそこにいるの?」
彼女は少し驚いていて、また混乱もしているようだ。しかし同時にわたしと同じように少し好奇心を掻き立てられているようにも感じた。 - これに基づいて、もっと続きを書いてもらうために
- これを、今一度、グーグル翻訳で英語に翻訳して、
- それを Transformer に入れて……
- とやろうとか思ったが、ここらへんでちょっと飽きてきた
AI 挿絵の進捗
- 気分転換に、この小説に似合う挿絵を AI で描かせてみよう!
- 「AI でイラストを描かせよう!」という話題は、 2ヶ月くらい前から急に盛り上がってた
深津貴之さん (fladdict)
- 具体的には、このツイート (2022/7/3) あたりからの流れ
https://twitter.com/fladdict/status/1543527371508432896 - ロボ絵とか
note: AIでどこまでメカデザインできるか試してみた。かなりヤバかった。 (深津 貴之 (fladdict) 2022年7月12日 11:19)
- この頃(7月初旬)はまだ DALLE2 のアカウント来なくて、
指くわえて見てるだけだった
- そうこうしてたら、仕事が忙しくなって、他のことなにもできなくなって
- そしたら DALLE2 の招待きたんだけど、まだ時間取れなくて遊べなくて
- やっと仕事が一息ついたので、ここまで流してた深津さんの研究結果を まとめて勉強しよう、と思ったのが 8/24 のころ
- ここから、深津さんのツイートを時間を遡って見てたけど、 疲れて止めたのが 8/2 まで
- その間のいくつかのエントリーをまとめておく、ギャラリー的に
- 総括的な note
DALLE2 で描いてみた
- アカウントが来たのが 7/30
- ツイート (https://twitter.com/ichiki_k/status/1553186368213458945)
- 最初に描かせてみた絵はこんな感じ
(https://twitter.com/ichiki_k/status/1553219932598697985/photo/1)
- この後、上述の通り、忙しくてさわれなかったが、8月下旬に再開
- DALLE2 の prompt book という PDF が公開されているので、こちらも必見
- 8/25 (https://twitter.com/ichiki_k/status/1562465774731931649)
先の AI 小説にマッチした挿絵を描かせてみる
DALLE2 篇



- ぼくの脳内では、
ジェイムス P ホーガンの「未来からのホットライン」のイメージだったんだけど
- (あー、懐かしい。急に読みたくなった)
Stable Diffusion のはなし
- 深津さんの一連の流れを見ていると、
(まさに、ぼくが仕事で忙しくしていた数ヶ月の間に)
text-to-image 領域で大変革が起きていた模様- (あとで、もうちょっと詳しく見ます)
- (表面的に)後追いで時系列をまとめると、
- (1) OpenAI が DALLE2 をテスト公開
- テスターがどんどん絵をアップしていって盛り上がる
- 最初は無料で50枚、もっと書きたければ課金
- モデルは非公開
- (2) Midjourney が同様のモデルを公開
- こちらは簡単にアカウントもらえるみたいで、
みんながどんどんネットに結果をアップして、もっと盛り上がる - これも最初は無料で、そのあと課金
- モデルは非公開
- こちらは簡単にアカウントもらえるみたいで、
- (3) Stable Diffusion というオープンソースなモデルがモデルごと無料公開
- アカウントもらえなかった人とかの熱狂で、もっともっと盛り上がる
- 本家の Web UI アプリである DreamStudio は、たくさん使うと課金
- しかし、コードも学習済みモデルも、全て公開されていて、
かつ普通の AI に使うパソコンで実行可能
- (1) OpenAI が DALLE2 をテスト公開
- ということで、遅ればせながら、 Stable Diffusion をローカルにインストールしてみる
Stable Diffusion のインストール
- (すっかり取り残されてたので)どれに従ってやれば良いのか分からなかったので、
確かそうな HuggingFace の blog エントリー Stable Diffusion with 🧨 Diffusers (Published August 22nd, 2022)
に沿ってインストールしてみる - といっても、手間だったのは HuggingFace の User Token 作るところくらいで、
あとは pip install 一発 - 環境は RTX 2080 Ti
*-display description: VGA compatible controller product: TU102 [GeForce RTX 2080 Ti] vendor: NVIDIA Corporation physical id: 0 bus info: pci@0000:01:00.0 version: a1 width: 64 bits clock: 33MHz capabilities: pm msi pciexpress vga_controller bus_master cap_list rom configuration: driver=nvidia latency=0 resources: irq:142 memory:a3000000-a3ffffff memory:90000000-9fffffff memory:a0000000-a1ffffff ioport:5000(size=128) memory:a4000000-a407ffff
- よし、これで画像作りたい放題だ!
AI 小説の挿絵を描かせてみる、パート2
Stable Diffusion 篇












- うん、こっちの方が SF の文庫本の表紙っぽい!
Image2Image と Inpainting
- Stable Diffusion の人(の一人)の人のこんなツイートが、流れてきた
(https://twitter.com/psuraj28/status/1562039265126670339)
- ということで、早速、試してみた。
うん、これは、もう、 DALLE2 行かなくてもいいね
Stable Diffusion 革命
- そのように、2022年8月は、 AI にとって大きな変革が起きた時になった
(と、後年、記憶されることになるのかな)
- その動きを(忙しくて)リアルタイムとして体験できなかったのは、 これは残念なことなのかな?
- とはいえ、今年(2022年)は本当に、いろいろ激動の年ですね
- まだまだ終わってませんが
- そうこうしてたら、月曜(8月29日)に
こんなツイート (https://twitter.com/karaage0703/status/1564095880315437057) が流れてきた - ここで、まさに今回の「Stable Diffusion 革命」の背景について、
高い熱量で語られています
- 情報量も多く、ひとまとまりになってるので、 関心のある人は必見だと思います
- ちなみに(ぼくは、そもそも情報通ではないので)
清水亮さんについては、比較的最近のことしか知らない
- enchantmoon のニュースで名前は認識してた
- あと NLP 関係でブログをネタにした話を見た記憶がある
- あ、最近、プログラミングの教育とかで、新潟(出身地?)の活動とかで 目にした記憶があるな
- (逆にいうと、これくらいしか知らなかった……モグリですな、オレ)
- ちなみに(パート2)、DRIKIN さんは、ガジェット系ユーチューバー(VLOGGER)
ということは認識してた
- (でも、これも逆にいうと、これくらいしか知らなかった…… モグリですな、オレ)
- ちなみに(パート3)、 西川善司さんは、
ITmedia 系(だっけ?)のネット記事で見かけたことある、くらいの認識です
- (でも、これも逆にいうと……以下省略)
Stable Diffusion 革命 - 深津さんの視点
- このビデオの情報量が多すぎて、うまくまとめられないので、
先に、同じ現象に関する深津さんのまとめを紹介する
「世界変革の前夜は思ったより静か (深津 貴之 fladdict) 2022年8月22日 02:30」 - ここからの、グッときたフレーズを引用しておく:
- これは、上で紹介したように、実際に公開されて、
誰でも(それなりの GPU 載った PC 持ってる人は) 自分の PC で好きなだけ画像が作れるようになった
- これは、上で紹介したように、実際に公開されて、
- 引用、パート2:
- 個人的には、深津さんはクールな人だなと思った
- あと、社会について(いわゆる文系てきな知識) ぼくより考えが深いのだろうと感じた
- この状況を、前向きに、まとめようとすると、 まぁ、こういう方向性しかないのかな、とは思う
- 一方の、熱量の高い(おじさん3人の)ビデオを、がんばってまとめてみよう!
- 最近の AI の研究に関する、札束でブン殴る系の研究に対する、
市井の AI 愛好家たちの不満、という文脈は、個人的にも共感できる
- OpenAI はいつもの通りで、
そこに出てきた Midjourney も(Leap Motion の共同創業者)の札束(?)で、
結果すごいってばかりで、使わせてもらえるけど、 自分の開発に生かすことができない状況だった、と - これは、最近の Microsoft、 Facebook (Meta)、 Google、 DeepMind
など AI 大手に総じて言えること
- 最初の Google の TensorFlow の公開のスピリットが、 実質、消えちゃってたね、と
- 清水さんの発言から
Midjourney はアップルケールして…。
逆に、 Stable Diffusion はアップスケールなしで 512x512 出していて、
あのすごい小さいサイズってのは、ほぼもう冗談みたいなスペックなんですよ。
ある意味で、怒れるオタクたちの情熱が超えたんだよね。
大資本が力技で作ったニューラルネットを。
大資本は、金さえ払えば良いと思ってるから、 A100 もう1枚増やして、とかってなっちゃうじゃない。
そうじゃなくて「うちのパソコンでもなんとかなんないのか」みたいなことをみんながいうから、
なんとかギリギリパソコンクラスでできる、なんかカード1枚20万以下で変えるようなやつで
なんとかできねぇかな、みたいなところが、また、くすぐられるじゃない。- うん、くすぐられる
- OpenAI はいつもの通りで、
- 清水さんが(無職になっても)個人的にサポートしてた
phil wang さん (github.com/lucidrains) は、
stability.ai のメンバーに入ってるのかな? - ぼくも lucidrains さんのコードは何度か使わせてもらった記憶がある
- しらべたら ZAF2011 とか ZAF2201 で
lucidrains/vit-pytorch とか lucidrains/byol-pytorch とか、言及してた - おぉ、これが清水さんが言ってた DALLE2 実装か
lucidrains/DALLE2-pytorch
- しらべたら ZAF2011 とか ZAF2201 で
- 地獄の釜の蓋が開いた、パンドラの箱が開いた
もうパンドラの箱が開いていて…
今までは、論文があっても、元になるモデルが公開されてなかったからできなかったの。
みんなGoogleとかフェイスブックとかの研究者が
「オレたちこんなすごい論文書いたぜ、こんなすごい AI 作ったぜ、イェー」
って自慢するのをオレたち指をくわえて見てたんだけど……
だけど、もう今回 Stable Diffusion がバーンって公開されちゃったじゃん。
もうこの流れを止めらんない。
これって、要は Richard Stallman が、 Emacs もそうだけど gcc とかね、
Linux というか Unix の GNU ツールキットが公開された時と同じインパクト。 - (西川)「AI の大衆化みたいなもの」から
そうよ、まさに民主化なんですよ。
いろんな会社がね、「AI の民主化」っていうスローガンを掲げてた。
でもさ、オレもうずっと言ってたわけ、民主化ってのは私企業が掲げていいスローガンではない。
政治じゃん、だって。デモクラシーなんだから。
(Unity の社長が)投票で選ばれるんじゃないんだったら、それ、立憲君主制じゃん。
どこが民主化なんだよ、と。王国じゃん、キングダムじゃん、みたいな。
それはもう完全に真逆なわけだ。
今回こそがまさに民主化といえて。
例えば Linus Torvalds も、
「じゃあ Linux の権利は全部オレのものだ」
って言ったら、これ民主化にならなかった訳です。
(中略)
ま、それで最後 Richard Stallman と超喧嘩になるらしいんだけど。
でも、それが民主化なんですよ。
つまり、リーダって言うかな、ゆるやかなリーダーはいるけど、支配者はいないんですよ。
だから Stable Diffusion って、まさに、ほんとうに奇跡のような AI の民主化のはじまりで - ライセンスに関して
この手のモデルを無料で公開するってのがすごく重要で、
(中略)
あと、 NVIDIA が自分とこの GPU 売りたいから積極的に公開してたんだけど、
NVIDIA の公開しているソフトとかモデルのライセンスって CC BY-NC-SA なんだよね。
ま、つまりこのライセンスは何かっていうと、 使っていいですよ、ただし、商売するな、と。
それはなんでかっていうと、 NVIDIA さん的には、競争相手もいる訳ですよ。
そういうところが NVIDIA の成果だけ奪って、 なんか、うちでもできまっせ、みたいなことやったら気に入らないから、
そういうことに使うなよ、という牽制球を投げられてるんだけど、
ただ、それってやっぱ、ただそれをユーザーとして使いたい人にとっては そんなに使いやすくないよね。
(中略)
そういう、大企業ならではの欲望とか責任逃れとかいろんな思惑が込められたライセンスから 完全にフリーなライセンス。
今回一番画期的なのはライセンスだと思っていて、
よくこれ、本当にボランタリーベースのオープンソースコミュニティで
こんなしっかりしたライセンス作れたなと思ってるくらい。
それこそ GPL くらいの発明だと思います。
今回のライセンスって、めっちゃ潔くて、
オレたちは AI が出すものに関して一切関知しない。
これを責任とるのは、この AI を使ってできた生成物を発表する人間だ、と。
え、なんでみんなこのライセンスにしなかったんだろうってくらい、眼から鱗なわけよ。- これが、そのライセンス - CreativeML Open RAIL-M https://github.com/CompVis/stable-diffusion/blob/main/LICENSE
- 清水さんの軸足は、一般の人にあるんだなと感じた
- 今回も、以下のような発言があった
「ちょっとでも、オレと同じ感動を味わって欲しいな、と」
「楽しいんだぞ、というのを分かってもらえることはうれしいけど、アラシには腹が立つね」 - 今の技術って、でも「一般の人」をエンパワーしようとすると、
「アラシ」みたいな存在とか、「そんなに情熱があるんなら、グーグルコラボでやってくださいって感じなんだけど」
「要は、これ、公共物だっていう認識がないのか、という。
オレは、みんなにやってほしいからやってるのに。
一人の人間のためにそこまでやるんだったら、別にパソコン買ってよって話なんですよ。」
- 今回も、以下のような発言があった
- 「専門職能を強制的に民主化」(深津)は、
あぁ、そうか、と思った
- 近代化というものが、
- 技巧を技術(テクノロジー)に、
- 芸を芸術に、
- 近代化というものが、
- 「誰でもできる」という出来事が起きた時に、
文句を言っている人は、基本的に、既得権者なんだよなと思う- 人生、一度頑張って、あとは余力で楽して生きたい人は、 ま、それは大変だよなと思う
- 今の時代、一生、学び続け、成長し続けなければならない、
と言ってたのは、素人が恣意的にストーリーを紡いでると最近批判されてた ベストセラー作家の Yuval Harari だったかな
- 個人的には、天動説の時代に地動説が出てきたころを想像して、
(あるいは、奴隷制度が普通の時代に奴隷解放の動きが出てきたころでもいい)
自分の立ち位置を考えていきたいと思ってる- それは、必ずしも「勝馬に乗ろう」という話をしているわけではない
- 今のおじさん(おばさん)世代というのは、多分、
コンピュータ黎明期を経験してきた人たちなんだろう
- 西部開拓時代というか、
何もないところから、自分の腕と力があれば、 どこまでも行きたいところまで行けた(行けると知っている)経験を持ってる人たち - そこにおける「オープンソースプロジェクト」の文化の重要性は、
最近、社内の若い人向けに Eric S.Raymond 三部作を紹介しようと読み直して、
あらためて感じたことでもある - 自由とかって、やりたいことを(自己責任にはなるけれど)
できる(やっていい)ということで、
プログラミングって、そういうことができる手段だったんだよな、と - 今回の「Stable Diffusion 革命」のグッとくるところは、
「あれ、おもしろそう」と思ったことが、自分で(も)できる部分かな
- 西部開拓時代というか、
- コミュニティ志向でのアクティビティの方向性ともからめて、
きちんと理解しておきたい
- と思うけど、理解が追いついてない
- なんだろう、お金を目指すのか、目指さないか、
という話に矮小化する問題じゃないと思うけれど、
その問題とは密接に関係はしているよね
- (感じのいい人なら、ここで終わることなのかもしれないけれど)
- この「自由」を阻害する(足を引っ張る)勢力や感情って、やっぱりあるなぁ
- 1つはコンプラ
- 会社とかでかい組織のことが上では言及されてたけど、
個人レベルで言えば、怒られないように無難に生きることであり、
事なかれ主義
- 会社とかでかい組織のことが上では言及されてたけど、
- もう1つはフリーライダー
- 上のビデオでは DRIKIN さんは「リテラシーの問題」と言ってたやつ
- 技術の進歩を俯瞰して考える時、
ぼくは時々、こういう技術が今エンパワーしている人たちって、
いわゆる「大衆」(悪く言うと、ダメな人たち、自己中心的な人たち) - 大人しい善人って、そういう自己中心的な人に、基本的に負ける構造なので、
そこに何か是正する仕組みが入れないと、なんか清水さんの善意も 大衆に消費されて終わってしまうんじゃないかと、いらぬ心配をしてしまう
- それとは縁を切って進むための方法論ってなんなんだろう?
- ぼくは素朴なレベルでは、実力主義 (meritocracy) かなと思ってるが、
なんか批判とかされているんだよね?
- ぼくは素朴なレベルでは、実力主義 (meritocracy) かなと思ってるが、
- いちきの多忙により(先述の通り)出版計画は以下のように変更します
サークル本は
『ZAM 季報 VOL.2 - 2022 年夏号』
一本のみ
- 『ZAM 季報 VOL.2 - 2022 年夏号』の予定コンテンツ
- 次回 ZAF は 2022 年9月28日開催の予定です。
- ZAF 講演者、 ZAM 執筆者、絶賛、大募集中です!
お気軽にお問い合わせください! - 前座 最近2ヶ月、仕事が忙しかったワケ
- 第1部 AI 小説と AI 挿絵の進捗 〜 もしかして時代が変わった?
- 第2部
技術書典13最終企画会議!
- 河村さん、原稿ありがとうございました!
- ...
- 今日のおわりに
Stable Diffusion 革命 - 清水亮さん (shi3z) の視点
Stable Diffusion 革命 - いちきの考察
パラダイムシフト
オープンソース文化
蛇足 - なにが問題なのか
(目次に戻る)
パート2
技術書典13最終企画会議!
今日のおわりに
……